こんにちは、大神株式会社のぬっこ専務です。この連載、格好よく段取りされた経営判断の記録ではありません。唐突にやってくる問題をすったもんだしながらAI と一緒にその場でどうにかしていっただけの話です。キラキラした英単語とかそんなもんはありません。びっくりするだろ、これが現実なんだぜ。ルフィも真っ青のあれこれをそのまま書いていきます。今回は第1話、勤怠管理という小さな壁にぶつかった朝から始めます。
業務委託の勤怠、楽にしたいよね問題
よくある話で、業務委託でお願いするスタッフが決まったことでした。経理とスケジュール管理をお任せするにあたって、まず稼働時間をどう記録してもらうか。専任の情報システム担当? もちろんいません。当時は代表と私の二人だけで、細かいルールをその場で一つずつ決めていく毎日でした。せっかく働いていただくのですから、稼働の記録くらいはきちんと形にしておきたいところです。
稼働時間の記録なら、無料の既製ツールがいくつもあります。実際、AI に最初に投げた質問がそのままでした。PC を使っている時間やログインがわかる無料の仕組みはあるか。作業時間や内容まで残せるものは、作った方が早いのか、それとも既存のシステムで足りるのか。
返ってきたのは Toggl Track、Clockify、ActivityWatch の3つでした。どれも英語だけど無料で始められて、作業のオン・オフをワンクリックで記録できるとのことでした。通常の業務委託であれば、既製ツールで十分。作る必要はほぼない、というClaudeのお返事。探してみたけど、うーん、コレジャナイ感。
その日のうちに動き出した打刻アプリ
ただ、うちが求めていたのは、経理とスケジュール管理を任せる相手向けの記録でした。契約済みだった Google Workspace を使い、ユーザー名つきでスプレッドシートに残し、月末にはそのまま請求書にしたい。タスクごとの内訳もほしい。話しているうちに、要望はどんどん欲張りになるのが普通というもの。
「作業開始」「休憩します」を簡単に計れる手法はないかと質問して、既製ツールでもできるが、一番手軽なのは専用の Web アプリを作ることだ、という答え。ものは試しとお願いしてみました。
できあがったデモは、作業開始・休憩します・作業再開・業務終了、ボタン4つだけのシンプルなものでした。率直によいと感じたのではなく、頭に浮かんだのは「これ、何をどこまでできるんだ…?」という実験心でした。ユーザー名でのスプレッドシート記録、タスク切り替え、月次集計からの請求書自動生成。試すつもりで一気に頼み、Google Apps Script(スプレッドシートに付いてくる自動化の仕組み)でつなぎ込んでもらいました。ブラウザが落ちても大丈夫なよう、1分ごとの自動バックアップも備え付けています。
こうなるとコードぐちゃぐちゃなんじゃないのと思う所ですけど、ここに特徴が出て来たのがAIによるコード記述の差。ここは結構有名な話ですね。
目指した画面は、ログイン・打刻・作業履歴・請求書の4つ。作業履歴では月別にフィルターをかけて稼働日と時間を一覧で確認でき、請求書はタスクごとの明細を消費税込みで自動生成し、印刷や PDF 保存にも対応させる計画でした。
デプロイした URL を開き、名前を入れて打刻するところまで動くようになったのは、同じ日の夕方でした。ログイン周りの細かい不具合はまだ直している最中で、請求書へスプレッドシートを読み込ませる仕組みも、この時点ではこれからでした。それでも、既製ツールで十分と言われていたはずが、気づけば手元の Google Workspace の上に、ログインと打刻、自動バックアップまで動くアプリの土台が、その日のうちに立ち上がっていました。行き当たりばったりと言われればそれまでですけどね。人間追い込まれたらなんとかなるもんです。遠回りではなかったと思っています。
翌朝、想定外の質問
弊社、フルリモートフルフレックス。夜中に仕事やってしまおうはよくある話なのです。「打刻したあと、24時を回ったらどうなる?」と、自分で聞いてしまったのです。深夜をまたいで作業した場合の記録や、バックアップの挙動は、まだ一度も確かめていませんでした。
契約済みの道具の上に、その日のうちに動くものが立つ。行き当たりばったりでも、悪くない進み方だったと思っています。次回は、この打刻アプリが翌朝つまずいた「日付またぎ」の問題について書いていきます。